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今週の喝 第626話/04月17日(月)~04月23日(日)

正常性バイアスは、潜在意識の為せる業!?

 

 この世から、なぜ悲惨な戦争はなくならないのか?

この究極の疑問に対する回答は、

 「人間に於いて最も愚かしい性質は“正常性バイアス”である」

ということです。正常性バイアスとは、

 「全ての人間は、自分はどんな厄災に遭おうとも、自分だけは常に安全(正常)である」

という思い込みです。バイアスとは偏った力が働いている状態ですので、心理学的に言えば“偏見”となるでしょう。

 この“偏見”ですが、それが潜在意識に一旦刷り込まれると、己の観念(自分が信じている世界)が、正しいと思い込み、大きな力になります。潜在意識は、我々人間が人生を苦しまずに生きてゆけるようにあらゆる行動を反復することで“癖化”します。癖化とは、無意識化のことでもあります。意識にあがらないのですから、苦は当然生じません。つまり、人間の頭脳(思考)を通さずに、“反応”するようになるのです。

 こうすることで、我々は自分の意識にいちいち挙げずに癖として自然に行動をするようになります。この効果が良い方に表れたのが、練習に次ぐ練習……つまり、“反復練習”によって潜在意識に癖化した結果、名人級の演奏をする楽器奏者や、見事なウルトラ演技をみせるスポーツ選手となり、我々に感動を与えるのです。そして、絶賛を浴びることを、これ又繰り返すことで癖化し、絶賛が常識となって“自信”に変わってゆくのです。

 自信が付くというのは、このように潜在意識に自然にインプットされた成長過程です。ですから「私は、自信がある」と意識に上がってくるのは不自然なのです。このように無理矢理「自分は出来るのだ!」とばかり自分の潜在意識に叩き込もうとすると、それは、自信ではなく「自惚れ」となります。これをまた、反復することで身につけて(癖化して)しまえば、今度は、性格までが嫌味な物となって、周囲の雰囲気を悪くしてしまいます。我々はよほど注意をしないと不自然な“偏見”を身につけてしまうのです。

 

★★「正常性バイアス」は自己催眠!★★

 

 日本は、戦後70数年実際の戦争を体験していません。これは、世界の趨勢から見て我々の「平和?」の方が不自然なのです。これは私の感覚ですが、平和の代償に「愛国心」を無くしてしまいました。国に一朝事あれば、守るぞ!という気概のある人間を教育せずに剥奪してしまったのですから、これは平和ではなく、闘う気力を無くした単なる「腑抜け」です。

 白鳥が水面を悠然と泳ぐ優美な姿を、水の中から映した映像を見ましたが、必死になって水かきを動かしていました。我々が見ている姿とは裏腹にもの凄い努力をしています。平和とはこの白鳥の優美な姿のように、水面下でとてつもない努力をして勝ち取られるものなのです。

 先般も、「戦争はいけないことと分かっているのに、なぜ、無くならないのか?」という回答は、勉強しない者が安易な偏見の中にいて、「共存」ではなく、勝利感覚が高じて「支配」の道を選んだことに原因があります。

 北朝鮮金正恩(きむ・じょんうん)がやたらとミサイルや核開発を促進しているのも、学ばない人間が、自国民を権力で押さえている小さな勝利感覚で正常性バイアスを誘発し、“蟷螂(とうろう)の斧(おの)”状態を作っているのです。蟷螂とは「カマキリ」のこと、その前足は斧のような形をしています。そして、カマキリは相手が自分とは比べものにならないほど大きな生き物・人間でもその前足を振り上げて掛かってきます。そのことから「力のない者が、自分の非力も顧みず、強い相手に立ち向かうこと」を言うようになりました。出典は「荘子」です。

 いやはや、学ばない人間がいつも揉め事を起こすのです。この事象を見て、「本当にバカな国だ!」と思っている我々日本人は、如何なものでしょうか?多くの国民は、「平和は只!」と思っているのではないでしょうか?これも、やはり“正常性バイアス”なのです。

 無知蒙昧をあざ笑う我々も、また無知蒙昧なのです。無知蒙昧とは何も知らないことと解釈しがちですが、そうではなく、「自分が正しい」と思う自惚れの心に支配されている人間を指します。

 良識ある人間は、常に自分の進む道が正しいかどうかをチェックするために、他者の意見をシッカリと聴き、その意見が、世の中を成り立たせている“摂理”に添っているかを確認します。「傍目八目」と言う諺があるように、他者の眼は意外と正確に判断しています。それでも、やはり偏見の眼かも知れませんから、摂理の勉強を怠ってはなりません。

 “正常性バイアス”……これは、明らかに偏見です。偏見そのものが生じる要因は、正に「そのように思うことで“快”が得られる」ところにあります。まさに、正常性バイアスは“自己催眠”と言っても良いのです。


この続きは、来週のお楽しみ……('-^*)/